足と靴
foot and shoes
1.足の特徴
■ 足裏のアーチ
2本の足で歩く人間は、体重を足裏の狭い面積で支えています。
足には両方で56個の骨があり、身体の骨は約206個なので、
身体の1/4の骨が足に集中していることになります。
足は身体の土台となり、歩く時の地面からの衝撃を吸収し、
大地をしっかり蹴って歩きます。
何事も土台、ベースが大切です。
家に例えれば、基礎である土台が悪ければ、家も歪んできますね。
人間も、土台である足元がフラフラしていたら、身体も、体調も、
考え方までもフラフラしてしまいそうです。
身体と歩く動きを支えているのは、足の裏にある3つのアーチ構造です。 よく知られているのは、土踏まずと呼ばれる内側アーチ、他には外側アーチと横アーチがあります。
この3つのアーチが歩く時に足裏のクッション(バネ、スプリング)の役目となり、地面からの衝撃を吸収し、膝や腰などに伝わる衝撃を和らげています。
縦アーチが高く、甲高の状態になります。
足裏の地面への接地が少ないため、歩くときにグラグラと不安定になりやすいです。
身体を支える土台が不安定で足裏の接地面積が少ないので足裏の前足部にタコができやすくなります。
甲が高いので、靴と擦れやすいですが、足と靴の木型を合わせて靴の中での前滑りと横ぶれを支えると安定した足元になり、楽に歩けるようになります。
ハイアーチ
アーチが下がり、足裏のクッションが少ないので、地面からの衝撃が足や膝、腰などの関節に直にひびき、疲れやすい特徴があります。ハイアーチと同じく安定した足元が必要となります。
見かけの扁平足とは、ダンスやスポーツをしている人など、足裏の筋力が多くついていたり、脂肪がついていたりすると土踏まずがないように見えることがありますが、フットプリントをとってみると、実際の土踏まずは低下していないことをいいます。
また、赤ちゃんや幼児は足裏のアーチが未発達ですので扁平足に見えますが、年齢と運動量に応じてアーチは発達していきます。
扁平足
足の裏のアーチがしっかりある足。
正常なアーチを保っている人も、体重の増減や、運動量などでアーチは変化します。
朝起きた時はしっかりあるアーチも、一日中立ち仕事などで動き回ると、だんだん低下してきます。もちろん、アーチが下がると足の長さも変わります。
足は常に変化しているものです。靴も履き込んでいくと経年変化していきます。常に足と靴の良い関係を意識し、必要に応じてこまめなメンテナンスを心がけましょう。
正常なアーチ
■ 足囲(ボール)と かかとの幅
・足型を知るための足の計測
背の高い人、低い人、痩せている人、ふっくらした人。
体型が人それぞれ違うように、足の形『足型』も人それぞれ、右と左でも違います。100人いたら200通りの足型があります。
足型を知る目安として、日本のJIS規格があります。足長に対しての足囲はA〜Gまで10種類の足囲がありますが、実際に流通しているのは1〜2種類ほど。また、足型を知るのに重要な、かかとの幅の設定はJIS規格にはありません。
これでは足に合う靴を探すの大変ですね。
base worksでは足型と足の特徴をより深く知るために、足長、足囲(ボール)、足幅、ウエスト、インステップ、かかとの幅を、足裏に体重がかかった状態の立位、かかってない状態の座位で測っていきます。
・同じ足の長さでも足の幅はこんなに違いがあります
同じ足の長さであっても、足囲、足幅、かかとの幅も違い、足型は人それぞれです。
洋服のサイズや形はあっていなくても身体は壊しませんが、足の形に合っていない靴を履き続けると、
外反母趾などの足の変形や、身体の歪みにつながってきます。
■ ゆびの形とトウスタイル
・ゆびの形の特徴
エジプト型
ギリシャ型
スクエア型
・ゆびの形に合うトウスタイル
オーブリック型
ラウンド型・オーブリック型
スクエア型
体型や足型も人それぞれ、足のゆびの形も違い、左右でゆびの形が違う人もいます。
日本人に多いのは、親ゆびが一番長く、小ゆびに向かって斜めのラインを描くエジプト型と言われています。
ゆび先の形によって合う靴のトウスタイルも変わります。
■ 重心
・歩く時の体重の移動
①かかとで着地
②足の外側を通って小ゆび側へ
③親ゆびの付け根
④親ゆびで蹴り出します
靴が足と合っていないと、重心がゆびの前の方にかかりすぎたり、ゆびが締め付けられたり、姿勢が歪み、正しい歩き方が難しくなってきます。身体の土台である足が不自然に歪むことによって、膝や腰に負担がかかり、痛みにつながります。
合わない靴で無理やり歩くと、身体全体に悪影響を及ぼしていきます。筋力でカバーできるうちは我慢できても、長くは続きません。
良い姿勢と足に合う靴で気持ちよく歩きたいものですね。
前で踏ん張っている足
外側に体重が流れやすい足
・歩く時の体重移動で、②の足の外側を通って小ゆび側から③の親ゆびの付け根への
移動の時に足をねじる動き、あおりの動きが強い状態です
・内アーチが高めな人に多い傾向があります
・小ゆびや付け根にタコができませんか?
・靴の中での足の動きが強いため足元を安定させて支える靴が必要になります
・靴のヒールの外側がよく減りませんか?
・履いている靴がゆるくて足が靴の中で、前滑りしていませんか?
・履いている靴のヒールが高く靴の中で、前滑りしていませんか?
・かかとがカパカパと抜けてしまうので、知らず知らずのうちに
靴が脱げないようにゆび先で踏ん張ってしまっていませんか?
・足のゆびの付け根にタコができませんか?
・外反母趾かもしれないと思いますか?
・ゆびが踏ん張った形になっていませんか?
・小ゆびが内側にねじれていませんか?
・歩く時の体重移動で②の小ゆび側を通らずに③の親ゆびの付け根へ移動します
・縦アーチが低めな人に多い傾向があります
・靴のはき口が開いてしまうことが多くありませんか?
・長歩きや、長く立っていると、土踏まずの辺りが痛い、または疲れやすいですか?
・靴の中での足の動きが強いため足元を安定させて支える靴が必要になります
・靴のヒールの真ん中、または内側が減りませんか?
・内側に体重が流れやすい足
■ 足の質
足の質。なかなか聞きなれないかもしれませんが、足には「固い足」「柔らかい足」といった特徴があります。
「柔らかい足」とは、骨そのものが柔らかいのではなく、骨と骨を繋ぐ靭帯組織に柔軟性があるということです。
足が柔らかい人は、女性に多く、こんにゃく足などと呼ばれますが、骨と骨を繋ぐ靭帯が柔らかく、伸びやすいので、
履く靴によって、良くも悪くも影響を受けやすいのが特徴です。
足に合わない大きすぎる靴などを履くと前重心となり、足が靴の中で前へ滑り横アーチが低下する開張足を引き起こしやすいです。
また、靴の中で足がねじれるような動きも出やすく不安定になりやすいですが、靴に足入れはしやすいです。
足が固い人は、男性に多く、履いている靴に影響を受けにくいですが、足が固いので靴に足入れがしにくいことがあります。
【柔らか足】
【固い足】
■ いくつもの特徴を持ち合わせた足
いくつかご紹介した足の特徴や足のクセは、様々な特徴やクセが組み合わされてそれぞれの足の個性となります。
例えば
扁平足で足の幅は広いが、かかとの幅は狭く、重心が内側に傾く固い足
ハイアーチで足もかかと幅も狭く重心が外に傾く柔らか足
などです。また、こういった特徴やクセが左右で違うこともあります。
自分の足の特徴やクセを知り、足に合った形の靴を履きましょう。
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